2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しました。これまで富山大学では、温室効果ガスの排出量の削減に関する基礎研究が行われ、本学工学部に「カーボンニュートラル物質変換研究センター」を設置し、二酸化炭素の物質変換に成功し、その有効利用に関した業績を多数挙げ世界にその成果を発信してきました。
近年、世界中からカーボンニュートラル実現に向けた大きな波が加速しています。富山大学においても、基礎研究成果を社会実装に有機的に繋げるための手立てが課題となってきました。そこで令和6年2月に、カーボンニュートラル物質変換研究センターを発展的に改組し、研究推進機構に「カーボンニュートラル産業創生研究センター」が設置されました。新センターは、工学部・理学部・都市デザイン学部に、経済学部を加えた全学的組織に改組され、研究開発部門・社会実装部門・人材育成部門の3部門に統合し、各学部の研究者をそれぞれの部門に配属しました。大学の「総合知」でカーボンニュートラル実現に向けて加速してまいります。
新たに誕生した本センターは、カーボンニュートラル研究に関する全学のハブとなり、研究成果の社会実装及びグリーン人材の育成を進め、持続可能な社会の形成に貢献します。また、今後ますます増加が予想される産学官連携や外部資金の獲得を視野に、関係部局と連携しながら本学の強みを組織的に支援します。併せて、異分野連携を含めた研究力強化やカーボンニュートラル分野の人材育成にも取り組みます。
学内外の皆様のご協力とご支援を、よろしくお願いいたします。
富山大学理事(研究担当)・副学長
研究推進機構長
カーボンニュートラル産業創生研究センター長 北島 勲